正しいこと・面白いこと

先週も引用した博報堂の雑誌「広告」
久しぶりにホームページを訪れてみると5月に新しい号が発売されていたので、
購入しなかった前々号、前々々号、そして1年の定期購読と合わせて、
直接オーダーする。翌々日、編集部から茶封筒で届く。
雑誌『広告』 | KOHKOKU


新しい号の特集は
「君の言っていることはすべて正しいけど、面白くない」

広告 2013年 05月号 [雑誌]

広告 2013年 05月号 [雑誌]


編集部を3チームに分けて、それぞれのチームの企画会議の議事録がそのまま掲載されていて、
その企画会議で出てきた人・コトへのインタビューが掲載されている。
(このような形式はBSフジの番組「小山薫堂 東京会議」でも採用されている。)
会議そのものが、形式的でない、エキサイティングで面白いものであるからこそできるのだと思う。


タイトルとともに、目次のすぐ後に出てくる

おい すべて正しいけど面白くないぞ!
データ分析、CPC、CPA、CTR、CVR、調査、
戦略、マーケティング、過去、常識、論理、整合性、
MECE、会議、報告→連絡→相談、PDCA
自己啓発、成功体験、一般論、平均点、調和、合意、最適化、
秩序、伝統、風紀、ルール、上下関係、
年功序列、受験、権威、手本、型、通信簿、
前例、締め切り、言語、記憶、
視聴率、大企業、学級委員、地方から見た東京への憧れ、
東京から見た地方への憧れ、
血液型占い、学歴、多数決、スペック、
ビジネスモデルの真似、ケーススタディ
選択と集中、世間体、イデオロギー、視聴率、
シェアさせていただきます、企画書、
テンプレ、成果報酬主義、「壁と卵」の「壁」、ランキング、
この店ネットで評判らしいよっていうデートの誘い方、スキルアップ
若手向きキャリアデザイン研修、カフェ飯、
とか、みんなの言うことは分かるけれども、本当に面白いって何だろう?とか、
正しいと面白いって相関するの!? とか、そういうことを、完膚無きまで、語りつくす、今号。

というところで、すでにやられた感がある。



一方、先月、意気込んで買った「KINFOLK 日本版1号」は、
その価値観や伝えたいところには、とても共感するのだけれども、
今のところ、「君の言っていることはすべて正しいけど、面白くない」である。
それは、外国人の編集によるものだからか、
あるいは焦点を合わせずに「日本における素朴で優しい暮らし」的なぼんやりとしたものに
なってしまっているからか、何が原因なのかはわからない。
そして、悪い意味での既視感がある。

結局は、面白いと思うか思わないかって、僕は、個人の自由だと思います。
「3分間クッキング」を面白いという人もいれば、月9のドラマが一番面白いっていう人も、
YouTubeだって人ももちろんいます。本だってそう、「地球の歩き方」が面白い人もいれば、
文学が面白い人もいます。映画の賞にしろ、文学賞にしろ、優越の指標は、誰かが規定してるからだけでしか、
成立してないわけで、それを支持する人の量で決まってくるんです。
理系の学問にしても、「正しいんだけど面白くない」と世間で言われる最たる例ですよね。
それも単純に面白いと思える人間が少ないだけで、僕は「面白い」と思っている。
(14ページ)

と、上記広告の企画会議議事録にあるとおり、私にとって、物足りないだけで、
これだからこそ面白いと思う人は当然いるのだろう。
最近は日本のサブカルチャーの部分が盛んに紹介されているので、
こういう普通の側面は外国人にとって逆に新鮮なのかもしれない。



すべきことは、あるのだけれども、乗り気にならず、
枕元の本棚の穂村弘「本当はちがうんだ日記」にある「結果的ハチミツパン」を読み、
私にとって面白いとはこういうことだと思った。
内容は、、夜中にお腹が空いて目が覚めて、台所で食パンを食べようとするとハチミツを見つけ、
塗って食べようと思うけれども、スプーンが見つからず、
代わりに果物ナイフを使って塗ろうとするけれども、冷蔵庫で固まったハチミツは、
上手く塗れずに、口の中で先に口に入れたハチミツと、食パンを混ぜることにしたけれども、
結局は、手がベタベタしてしまい、それを手で舐めてたら、なぜか首もべたべたして・・
というような、くだらない内容。


でも、その内容が「KINFOLK」よりも人間らしく、私が「KINFOLK」に求めていたところに近く、
穂村さんが歌人であるからか、俳句や詩のような一つのまとまりを持っていた。

KINFOLK JAPAN EDITION VOLUME ONE (ネコムック)

KINFOLK JAPAN EDITION VOLUME ONE (ネコムック)

本当はちがうんだ日記

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