格差とロビー活動

数十カ国の公共放送が共同して制作されたドキュメンタリー
「WHY POVERTY? 世界の貧困 〜なぜ格差はなくならない〜」シリーズ
が、BS世界のドキュメンタリーで先週毎日放送されていた。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/whypoverty/index.html
放送されるのは夜中なので、部分的にしか見れなかったが、中でも、
「パーク・アベニュー 格差社会アメリカ格差はどこまで許されるのか?」は、
興味深い内容だったので、NHKオンデマンドで改めて購入して(250円)見る。
NHKオンデマンド|エラーが発生しました


内容はまとめると下記の通り

パークアベニューとはニューヨークマンハッタン地区にある通りの名称で、
その740番地は、アメリカの富豪が集中して住んでいる。
一方、その延長線上にあるハーレム川を挟んだ対岸のサウス・ブロンクス地区は
アメリカで最も貧しい地区で、70万人いる人口の4割が一日40ドル(3500円程度)
の収入しかない。


アメリカ全体では、所得の上位400人の超富裕層が、
下位半分の収入の合計以上の富を得ている。


740番地に住む富裕層の多くがヘッジファンドを仕事としており、
彼らはロビー活動(議員に法律を作るよう働きかけ議会へ提出し法律化させること)
に熱心で、投資の税率を上げさせないなど、自身の富を更に強化することに躍起になっている。


いうなれば、自分たちに有利なルールに変え続けるゲームをしているようなもので、
貧しいものが豊かな暮らしを営める社会的地位に就くことは、
現代のアメリカでは極めて難しい。


数十年前までは、中流家庭が圧倒的大半をしめていたが、
上位の人々の資産は膨らむ一方で、格差は広がるばかり。

パークアベニュー 740の場所:グーグルマップ)


このような格差を生む政策として、よく批判されるのが新自由主義ネオリベラリズム)という政策である。
普段、あまり政治・経済に関心を抱いてはいないので、軽々しく批判できないけれど、
2010年1月に買った樫村愛子氏の「ネオリベラリズム精神分析」を読んでからは、
あまり新自由主義に対して良い印象を持っていない。
この本の中で樫村氏は、出版当時首相であった安倍氏ネオリベラリズム的政策、曖昧な伝統復古的(美しい国)政策を、
強く批判している。


民主党が2009年のマニフェストに記載した
子ども手当、中小企業の法人税率緩和、最低賃金時給1000円、消費税上げない。などの施策は、
格差の是正を目指した、いわばネオリベラリズムに抵抗する政策であったが、
それを掲げた鳩山さん、小沢さんらリベラル派の人々は様々な方法で叩かれてしまい
結局は、どんどんもともとの自民党の政策に戻っていき、
「できもしないマニフェストを作った」と、実現しなかったことよりも
マニフェストに不備があったことのように扱われている。


アメリカ(及びアメリカ財界)、経済界、官僚、主要メディアが、
自分たちの不都合になることを、何としてもさせなかったのだと、
このドキュメントを見たあとはどうしても思ってしまう。


選挙で、どちらが与党になっても同じだ。


このように大企業、お金持ちに抗(あらが)っていては、
ずっとお金持ちにはなれないのだろうけれど。

ネオリベラリズムの精神分析―なぜ伝統や文化が求められるのか (光文社新書)

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