行成の書を見る

京都国立博物館で開催されている天皇の直筆である宸翰展
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tokubetsu/121013/index.html


その中に彼らが手本とした、
空海小野道風藤原行成の書が展示されている。
(後期展示には藤原佐理も加わる)



いずれも三筆、三蹟と称された人々であり、
後の日本における文字のスタイルに大きな影響を与えた。


空海の書は空海関連の展覧会などで何度か目にしていたが、
藤原行成の書の実物を見るのは初めてだった。
褒められるとおりのすごいものだと感じた。


その後、藤原行成の書について関連する本を少し読む。



三筆、三蹟とも書聖王羲之(西暦303-361)の影響のもとにあり、
(日本は、中国の公的文書で広く使われた「楷書」を好まず、王羲之にならった書体を積極的に用いた)
それぞれ意識的に王羲之のように書きたいと望んでいたが、
藤原行成に至って、中国の書から日本の書は完全に独立するという。
同時代、ひらがな、カタカナが生まれるが、
藤原行成の書「白氏詩巻」に完成される和様漢字は、それらと同じくらいに日本オリジナルのものであるらしい。
東京国立博物館 - コレクション 名品ギャラリー 館蔵品一覧 白氏詩巻(はくししかん) 



私の好きな日本文化、日本らしさは鎌倉末期以降に出てくると思っていたが、
書や日記文学などは、平安時代末期から同じ日本らしさを感じる。と思い直した。



以前、中国の名作「清明上河図」について書いた時にも考えたことだけれども、
2012/1/8
日本文化の日本らしさを考える時は、ヨーロッパの文化と比較するより、
中国・朝鮮の文化と比較したほうが、すっきり理解できる気がする。


日本という国家にこだわる気持ちは特にないのだけれども、
日本らしさに共感を覚える感覚をもっと自分の中で大切にし、
強みとしていけたらなあと思った。


磯崎新さんも、この「和様化」について昔から研究されているが、
いまひとつ一般の私たちに理解できる形には具現化されていないので、
そう簡単には、真似できるものではないのだろうけれども。

建築における「日本的なもの」

建築における「日本的なもの」