中村元・中国・インド

特に何かを期待しているわけではないのに、
土、日の朝はとても早く目覚めてしまい、そこから寝付けない。
昨日は朝5:13から「渡辺篤史の建もの探訪
(再放送ではない。この番組を見るために早起きする人はよほどの建築好き)


今日も5時前に目覚め、しばらくしても寝付けないのでテレビをつける。
Eテレ:「こころの時代」東洋の智慧をたずねて〜中村元博士の世界〜
という番組が放送されていたので見る。
中村元 (哲学者) - Wikipedia



「尊敬する人物は?」と問われたことはないけれど、
問われたら中村元と書こう。と考えていたくらい彼は私にとって尊敬する人物である。
理由は、すごい人で、それでいて優しい人で、善い人であるから。
(実際はどうなのかはわからないが、彼以上に
すごそうで、優しそうで、よさそうな人は思いつかない)


中村元は私の祖父と同い年、生きておられれば100歳になる。
1999年に没された際に、教育テレビで追悼番組が放送され、
録画しながら見ていた記憶があるから、もう少し前から彼に興味を持っていた。


追悼番組の中で、作家の立松和平さんが、
彼自身が所有する岩波文庫のボロボロの「ブッダのことば」(中村元訳)を取り出し、
「この本に出てくる『犀(さい)の角のようにただ独り歩め』という言葉は、
自分の人生の中で一番大切な言葉なんです。」というようなことを述べられていた。
そして、同じ事を中村先生にも伝えられ、これにサインを頂いたと。


「犀の角のように・・」という言葉は、釈迦の直接の言葉に近いといわれる
スッタニパータという仏典の「犀の角」という章にあり、
41節のそれぞれの言葉の最後につくフレーズである。

例えば、

一切の生き物に対して暴力を加えることなく、
一切の生き物のいずれをも悩ますことなく、
また子女を欲するなかれ。いわんや朋友をや。
犀の角のようにただ独り歩め


今の人々は自分の利益のために交わりを結び、また他人に奉仕する。
今日、利益を目指さない友は得がたい。自分の利益のみを知る人間は汚らしい。
犀の角のようにただ独り歩め

と言った文章が続く。
(単純に一人行動をしろと言っているのではなく、どちらかというと「自立」に近い)


彼が比較研究した、インド人の思惟方法だとか、中国への思想の流入の仕方とか、
うわべだけでも眺めていると、
日本人は、もっと中国やインドに敬意を持つべきだと思うし、
(少なくとも明治以前の人は持っていたと思う)
インドや中国が主に「世界の工場」や「大きなマーケット」としてしか眺められていないことは、
とても不自然だと感じた。

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)




(↑自宅書庫での中村氏)