再配分のこと

まとまった休みが取れず、また多忙が盆明けに控えているので、
特にどこに行くでもなくお盆を過ごした。


①マル激トークオンデマンドの特集
ベーシック・インカム社会保障政策の切り札となり得るか」
宮台真司氏×萱野稔人氏×山森亮氏のディスカッション2時間)
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そしてNHKでお昼に再放送されていた
②ハートネットTV・シリーズ貧困拡大社会
2:孤立する生活保護受給者
3:生活保護世帯の子どもたち
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NHKスーパープレゼンテーション
リチャード・ウィルキンソン「格差が社会に及ぼす影響」
(Richard Wilkinson : How economic inequality harms societies)
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を見る。いずれも労働・格差・再配分に関する内容。
②の番組放送後の番組ブログには、
出演されていた湯浅誠さんと茂木健一郎さんの対話が掲載されており、以下の部分は印象的であった。

湯浅: 働いていない人の6割が友人とほとんど接触がない。
    それは働くことがいわゆる“社交性の窓”となっていることを示していて、
    私たち自身もそうですが、仕事を通じての付き合いが社会の付き合いのほとんどなんですね。
    ただこのデータについてもう一つ気になるのは、
    働いているけど接触がないという人が4割もいるということですね。
    これは、清掃とか警備とかいわゆる一人職場ですね。
    警備なんかは工事現場で大勢の人がいるんだけど、
    自分自身はずっと立って一人で交通誘導しているということになると
    働いていても他の人と接触する場がないという、そういう働き方が増えているというのも
    同時に深刻なことでもあると思いましたね。

茂木: だから我々全体の問題ですよね。働くというのはもっと全人格的なもので、
    本当は人と人とが関わる場だったはずなのに、どこか自分の労働力というのを
    ある時間だけ切り売りするみたいな働き方が、生活保護を受けていらっしゃる方だけじゃなくて、
    社会全体に広がっているということを反映した数字だと思うんですよね。
    本当に我々全体の問題だと私は思います。

ベーシックインカムは、(ベーシックインカム - Wikipedia
この「働くことがいわゆる“社交性の窓”」という状態を、
「働くという単一な窓だけでなく複数の窓が開くしくみとしよう」という抜本的な提案である。
(現在は複数開いていても、「働く」の窓が閉まってしまうとすべての窓が、
機能不全に陥る状態になっている。)


しかし、いろいろ奥が深く、批判も多く全貌がつかめない。
いずれにせよコミュニケーション力などの部分で格差は温存されると思う。


夜、上記内容とは脈絡なく
吉本隆明「読書の方法」を読む。
274ページあたりの下記の文章を読みなるほどと思う。

日本にも思想書は、たしかにあるといっていい。
だが、思想や哲学があり、それが書かれているようには、存在していない。
あるのは「何々についての思想」「何々について書くついでに述べられた思想」だけだ。
逆ないい方もできる。書かれたものは、何について書かれていても、みな思想であり、
思想書ということだ。・・

物の具体性や具象性をはなれては、日本の思想は存在しない。
この特質は、わたしたちを絶望的にしたり、逆に楽天的にしたりする。

これは「風姿花伝」であったり、「茶の本」であったりする。
現代の具体的、具象的な物(プロダクト)の中にも、思想は存在するのだろうか・・
しうるのかもしれないと思った。

読書の方法 なにをどう読むか (知恵の森文庫)

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