ムツさんと効率

●木曜の夜22:00
NHK総合テレビで
■「 秩父山中 花のあとさき  〜ムツばあさんの遺したもの〜」を見る。
今年の正月にも何本かの特集が再放送されており、「またやっている」という気で見ていたが、
その正月の放送からしばらくしてムツばあさんは亡くなってしまったようである。


秩父の急斜面を開墾した人々がこの世を去り、それを引き継いだ人々が、
自力では田畑を維持していくことが困難になり、
田畑を閉じ、自然の木や花を植え、もとの森に帰していく。



今回の特集でムツさん自身も、
「街で働いたこともあるが、休みの多さに驚いた。」と語っているように、
農業全般において抱える問題は、生産性が他の近代労働と比較して低いということである。
都会では2時間で済んでしまうことが農業では10時間必要とし、
休日なども確保できない。
マニフェストにもいつくかの農業支援の政策がうたわれているが、
本当に他の労働との格差が埋まるとは思えない。


昨日はテレビ東京系列NEWS FINE林業の問題点についての特集が組まれていた。
■「金かけず森よみがえる 市民が主役の森林再生策」
"ボラバイト"(ボランティア+バイト)という労働がその策だという。
専業にするには食べていけないので、副業かつ社会貢献的な意味もこめて林業をすること。
こちらも安定供給を図って、林業の機械化・効率化を進めたが、今回の不況を受け、
製材所は「もう当分いらない」と言っているのに、森林の側は供給しつづけざるを得ない、
結果、価格がますます下落していくという悪循環を招いているのだという。


■昨日の夜、柳田國男の「山の人生」を少し読む。
この本が記されたのはムツばあさんが生まれた頃である。
主に里人と山人との違いについて記された本であるが、
「政治家が言っているように一筋縄ではいかないだろうなあ」と改めて考えさせられた。


●本日は、試験製図の学校
8:10に家を出て、23:45に家に到着する。
帰路の電車、私の座席だけが進行方向と逆向きであることを、
周囲は不自然に感じ、私自身も後ろめたく感じている。
(座席の足元を操作し、進行方向に向けてから座るのがスタンダードであるらしい)
我がことながら、なんと些細なことを気にしているのだろうと修養の足りなさを感じる。
時代に逆らって生きることは望まなくても、
皆と同じ方向を向いていないということを恥じない精神を持ちたい。